· 

歯型取り(印象採得)

当クリニックでは自由診療希望者を対象に「完全予約制」により、患者さん1人1人の治療時間を十分に確保し、慌ただしくない落ち着いた環境の中で、じっくり丁寧な治療を行なっております。

 

自由診療を希望されて来院される方々は、保険治療希望者と比べ、治療に対する要求度も、歯に対しての意識も当然高いです。また、自身の(歯の)健康に投資されることの価値を認識されている方々であると言ってもよいでしょう。

 

このような方々に対応させていただくには、我々施術者側にも、当然、それ相応の治療における技術および精度、そして責任が要求されます。

 

当医院では治療における全ての行程に関して、院長である私自らの手で最後まで行います。一見、こんなの当たり前だと思うかも知れませんが、どういうことかと言いますと、、、

 

多くの医院、特に保険診療を中心に慌ただしくやっている(繁盛歯科)医院では、先生が麻酔をしたり、歯を削ったり、 治療の主要な部分に手をかけたなら、あとは歯科助手などスタッフ任せ・・という医院って、結構よくあると思いますが、、、

 

例えば、レントゲンを撮ったり、歯型を取ったり、、、それらの行為、当クリニックでは全て私自身の手で行なっています。

 

当クリニックで歯科助手が患者さんに触れるのは、治療前にエプロンやタオルを掛けることと、治療後にそれらをを外すこと、それとバキューム吸引くらいです。

 

正確・確実な治療をお望みの患者にとって、この点はむしろメリットであると言えるかもしれません。少し例を挙げてお話ししてみましょう、、、

 

以下に紹介するのは、おそらく、これをご覧の多くの方が体験されたことがあるであろう、歯の型取りに関してです。 歯を削った後、あの粘土みたいな材料を口の中に突っ込むやつのお話しです。

 

ジルコニアなどセラミッククラウン製作の際には、必ず、患者の歯型を取る必要がある わけですが、、、画像は同じ人の同じ部位の歯型を取ったもの。 右のものは私が取ったもので、左のものは歯科助手が取ったものです。双方の違いがお分かりになるでしょうか?

ジルコニアクラウンなどの製作に携わるのは歯科技工士なのですが、歯科技工士は直接患者さんの口の中を見ているわけではありませんので、歯型だけを頼りに仕事を進めます。

 

彼らにとって、その患者さんの口の中がどういう状況かを知る手掛かりになるのは、この歯型のみなのです。

 

右側の私が取った歯型は、前歯から奥歯まで、この患者さんの口の中の約半分(片顎)の面積に及ぶ歯型が取れています。私の取った歯型は、技工士にとって、この患者さんの口の中の様子を知るのに、非常に情報量の豊富な歯型であると言えます。

 

また、型取り材(印象材)の調合(印象材は、粉末を水で一定の粉:液比で溶かして調合します)は、ゆる過ぎず固過ぎず、常に一定のコンディションであることが、結果、クラウンの精度に直結して関係してきます。

 

適正調合粘度で練られた印象材で情報量が多い歯型を取ることによって、その行程の流れの中で製作されたクラウン(かぶせ物)は、結果、より精度が高く、口の中に入った際に適合も良いため、装着感のいい仕上がりを実現することが可能となります。 

 

左側の歯科助手が取ったモノは、主に奥歯の部分しか型が取れていません。さらに左側のモノは黄緑色の印象材を突き破って、金属製の器具(トレー)が露出している部分が認められます。

 

おそらく、この部分は患者さんの口の中に入った時に、柔らかい粘膜部分にゴリゴリとぶつかって、さぞかし痛かったことでしょう。

 

その行程行程( 操作・行為・その結果 ) の意味を分かっている人間が直接手を掛けた仕事と、、、 かたや、ただ単にその行為をやっただけという仕事の違いです。

 

さて、あなたなら、、、自分の口の中に入れて、数年間は使用することになるクラウン(歯の かぶせ物)を入れるのに、どちらの歯型でクラウンを作って欲しいですか?

 

我々歯科医は、対応させていただく患者さん1人1人に対して、当然、常に高い責任意識を持って取り組みます。特に院長など、その医院の開設責任者ともなれば、当然、その意識は高いです。

  

以上、、、ふだん歯医者で何気なく行われていると思われるであろう、歯型を取る行為1つにしても、話すとけっこう奥が深いのです。

  

ちなみに、今回例に挙げた画像の2つの歯型は、、、じつは、左右2つの歯型どちらも、私が1人の患者さんに対して取った歯型です。※撮影協力者( 歯型採取協力者 )は、親戚のおば様・・・